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2024-04-22

犬の肺水腫について|フェレットの肺水腫についても解説

肺水腫とは肺に水が溜まった状態のことで、特に心臓病をもっている犬に多い病態です。
本来、肺では酸素と二酸化炭素の交換による呼吸が行われていますが、水が溜まることでこのガス交換ができなくなり、重篤化すると呼吸困難から命を脅かす危険な状態です。

今回は犬の肺水腫について原因や治療法を解説したいと思います。


原因

犬で最も多い肺水腫の原因は、僧帽弁閉鎖不全症などの心臓病です。心臓病が進行し、心臓から全身に送られるべき血液がうまく流れ出されないと、血液のうっ滞が起こります。すると、心臓に血液が溜まり、肺に逆流します。

また、肺から心臓に戻るはずの血液が心臓に入らなくなります。こうして、行き場を失った血液中の水分が肺に漏出し、肺水腫を起こします。
他に腫瘍や肺炎でも肺水腫が起きることがあります。

フェレットも同様に心臓病起源の肺水腫が多く、大動脈弁閉鎖不全などが原因となることが多いです。


症状

肺に水が溜まると、酸素と二酸化炭素の交換がうまくできなくなってしまいます。そのため、酸素が不足してハァハァと荒い呼吸息苦しくて横になれない(犬座姿勢のまま首を伸ばして呼吸をする)、咳が止まらないなどの症状が見られます。
また呼吸困難により、舌が青紫色になるチアノーゼという症状が見られます。


診断方法

肺水腫は心臓の病気だけでなく、肺炎や腫瘍が原因で起こることもあります。そのため、身体検査、血液検査、レントゲン検査、心臓のエコー検査の所見を総合的に判断して診断します。

身体検査:呼吸の様子や呼吸数、チアノーゼの有無、心音などを確認します。肺水腫では聴診によりプツプツと異常音が聞き取れることがあります。

血液検査:脱水の有無や、腎臓の数値 の確認(利尿剤は腎臓に負担がかかることが多い)、全身状態の把握のために血液検査を行います。

レントゲン検査肺水腫の診断においてレントゲン検査は非常に重要です。心臓の大きさや肺に水が溜まっていないかどうかを確認します。(肺野は空気を含むため黒く写りますが、肺水腫を起こしている部分は白く写ります。)

エコー検査:エコー検査で心臓に異常がないか確認します。


治療方法

犬もフェレットも治療方針に大きな違いはありません。
心臓に原因がある場合は降圧剤や強心剤を用いて心臓の働きを助けつつ、利尿剤で肺に溜まった水分を排出させます。

また、呼吸困難の症状が見られる場合、酸素投与が必要となります。この治療は基本的に酸素室内で行われるため、入院となります。
そして、腫瘍や肺炎が原因の場合は抗がん剤や抗生剤での治療が行われます。


予防法やご家庭での注意点

肺水腫は心臓病の末期的な症状として現れることが多いため、定期的な健康診断で心臓の状態を確認しておきましょう。
初期の心臓病は症状が出ないことも多く、気がついたときにはすでに進行してしまっているケースもしばしばです。そのため、特に小型犬は僧帽弁閉鎖不全症を発症するリスクが高いため、6〜7歳の中年期を迎えたら、半年に1回は動物病院で健康診断を受けましょう

またすでに心臓病に罹患している犬は、悪化を防ぐための定期的な通院と投薬、食事管理(塩分量の制限)が大切です。


まとめ

肺水腫は治療が遅れると命に関わる深刻な状態です。ご家庭の愛犬やフェレットに呼吸が苦しそうな様子や、いつもより元気がないなどが見られる場合は早期に動物病院を受診しましょう。


東京都大田区下丸子で、犬・猫・フェレット・ウサギ・小動物・鳥・魚まで、幅広い動物の診療を行っている【まるこ未来動物病院】

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