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2024-04-23

猫の心筋症について|フェレットの心筋症についても解説

心筋症とは心臓を動かしている筋肉(心筋)が変性し、心臓が正常に働かない状態です。
大きく拡張型・肥大型・拘束型に分かれており、猫では肥大型、フェレットでは拡張型が多いとされています。
心臓の病気は初期では症状が現れにくいものの、進行すると血栓塞栓や胸水の貯留などにより突然命に関わる可能性があります。

今回は猫の心筋症について詳しく解説したいと思います。


原因

フェレットに多い拡張型心筋症心筋が風船のように薄く伸びてしまい、収縮力が弱まることで心拍出能力が低下します。発生原因は同定されていませんが、高齢になるほど発症リスクが上がります。またフェレットの場合は内分泌疾患との関連も示唆されています。

猫に多い肥大型心筋症心筋が分厚くなることで心臓内の血液を貯める部分が狭くなり、心拍出能力が低下します。こちらも発生原因は特定されていませんが、メインクーンやアメリカンショートヘア、ペルシャ、ラグドール、が好発種として知られています。
肥大型心筋症はフェレットにも見られます。

拘束型心筋症心筋の動きが悪くなり、スムーズに拍動できなくなることで収縮力が低下し循環不全を起こします。拘束型心筋症は他の疾患の続発症としてみられる場合もありますが、原因が特定できない場合もあります。


症状

どの心筋症も初期にはほとんど症状が認められません
進行に伴い緩やかに活動性の低下や呼吸回数が多い、咳をする、などの症状が見られることもありますが、高齢のせいと見逃されがちです。

猫の心筋症で恐ろしいのは、心筋の動きが悪くなることから心臓の血流が滞り血管に血栓を詰まらせる「大動脈血栓塞栓症」で、突然死や急な後躯麻痺を引き起こします。これは血栓塞栓の好発部位が大腿動脈であるためで、前触れのない麻痺や後肢の冷感が特徴です。


診断方法

聴診での心雑音の聴取や胸部レントゲン撮影、心臓のエコー検査により診断されます。
また、状態に応じて血圧の測定や心電図、血液検査、尿検査が行われることもあります。


治療方法

心筋症そのものを完治させる方法はないため、病態に応じて心臓のはたらきをサポートする血管拡張剤強心剤を用い、体の負担を軽減させる内科的治療が主流です。
また、甲状腺機能亢進症のように、心筋肥大に影響を及ぼす疾患の有無を調べ、その治療も行います。

そして、胸水の貯留や肺水腫が確認できた場合は利尿剤を用いたり、針を刺して抜去したりする処置が行われ、呼吸困難の場合は酸素室へ入り集中治療が必要になる場合もあります。


予防法やご家庭での注意点

猫は病気があっても症状がわかりにくい動物なので、軽度のうちは気付きにくく、病気の発見が送れてしまうことがあります。気付かないまま心筋症が進行してしまうと、突然死や血栓塞栓症のリスクが上がります。
そのため、エコー検査を加えた定期的な健康診断を受け、病気の早期発見が重要です。

また、猫はストレスに敏感な動物のため、ストレスを感じると症状が悪化する可能性があります。愛猫にとってストレスがない環境作りを心がけましょう。


まとめ

猫の心筋症は初期には無症状のことが多いため、来院時には進行し危機的な状態である猫も少なくありません。
定期的に健康診断を受けている猫でも、エコーを撮っていないと気がつかないこともありますので、若いうちから健康診断にエコー検査を加えておきましょう


東京都大田区下丸子で、犬・猫・フェレット・ウサギ・小動物・鳥・魚まで、幅広い動物の診療を行っている【まるこ未来動物病院】

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